障がい福祉事業のサービスの種類ごとに、ヒト(人員基準)・モノ(設備基準)・カネについて基準が設けられています。
人員基準の中で、訪問系サービス(居宅介護等)では、「常勤換算で2.5人以上」であることが要件として定められています。この「常勤換算で2.5人以上」とはどういう意味でしょうか?
本記事では、人員基準の中で「常勤換算方法」について解説をしていきます。ぜひご確認ください。
常勤換算方法とは?
「常勤換算方法」とは、事業所の従業者の労働時間を、事業所の常勤従業者が勤務すべき時間数で割ることで、事業所の従業員の数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいいます。
【具体例】
★事業所の1日の勤務時間が8時間で1週間の勤務時間が40時間の場合に、40時間働いたAさんは常勤換算としては「1.0」になります(40÷40=1)
★反対に、Bさんが先ほどと同じ事業所にて20時間働いた場合は常勤換算としては「0.5」になります(20÷40=0.5)
【具体例】の中で、Aさんは「常勤」となりBさんは「非常勤」となります。この「常勤」と「非常勤」の違いについて解説をします。
常勤・非常勤とは

「常勤」とは、事業所における労働時間が、就業規則等により定められている「常勤の従業者」が勤務すべき時間数に達していることをいいます。
「非常勤」とは、事業所における労働時間が、就業規則等により定められている「常勤の従業者」が勤務すべき時間数未満であることをいいます。
労働基準法上に定められた「法定労働時間」の定めにより、常勤が1週間に勤務できる時間は「32〜40時間」ということになります。
したがって、パートタイムとして雇用契約をした場合であっても、事業所における労働時間が、就業規則等により定められている「常勤の従業者」が勤務すべき時間数に達している場合は「常勤」となります。常勤を「正職員」という解釈をしないようにしましょう。
具体例から常勤換算を計算した場合
実際に常勤換算で人員要件を満たすかどうか確認してみましょう。
例:「ワクワク居宅介護センター」の勤務時間
なお、「ワクワク居宅介護センター」の就業規則による常勤の勤務時間は週40時間とします。
- Aさん 週40時間
- Bさん 週30時間
- Cさん 週30時間
- Dさん 週10時間
この場合、
1+(30+30+10)÷40=1+1.75=2.7(小数点第2位以下切り捨て)
となります。
最初に説明した通り、訪問系サービスの指定要件として「常勤換算による人員基準が2.5以上」と定められいるため、このワクワク居宅介護センターは人員基準を満たしていることになります。
| サービス | 常勤換算による人員基準 |
| 居宅介護・重度訪問介護 | 従業者 2.5人以上 |
実地指導においても、この人員配置については職員の退職・休暇等により変動することがあるためよく確認される項目です。実際の職員の数とずれることがあります。実人数で考えるのか、常勤換算をして対応しなければならない事項なのかをしっかり確認しておきましょう。
まとめ

障がい福祉サービスは、年齢や障がい特性、支援区分等により多岐に渡ります。
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