障がい者の人数は増加傾向にあり、様々な障害福祉サービスにより支援していくことが必要になっています。また、いわゆる介護サービスとは扱いが異なり、障がい福祉事業のサービスは行政より「指定」を受けることがスタートラインになります。
この記事では、障害福祉サービスの開業に必要な「指定」の流れについて解説します！「障がい福祉サービスとは？どんなサービスがあるの？」と疑問に思われた方はこちらの記事を先にご確認ください。
障がい福祉事業の指定権者について
事業を行う場所を確定すると、その事業を行う事業所の地域を管轄する役所が指定を行う権限がある役所（指定権者）が決まります。
この指定権者については、自分で調べて問い合わせる方法でもよいですが、時間がかかる場合は事業所を置く都道府県の代表番号に電話をして、指定担当係について直接聞くことも１つの手です。
多くの指定権者では「福祉課」「障がい事業者課」などが担当窓口の名称になることが多いです。全てがこういった名称であるとは限らないので、それぞれの指定権者で確認することが必要です。
障がい福祉事業開始までの流れ
障がい福祉事業は、指定後でないと事業を始めることができません。事前相談、事前協議、本申請から指定までに必要な日数は各指定権者で異なっています。ホームページで日程を確認し、逆算していくことが重要です。
①法人設立
障害福祉サービスを開業するためには、法人格を有していることが求められます。法人の設立の際に定款を作成する必要があります。定款に事業の目的を記載する必要があり、申請時に実施する事業に即した内容でなければ、指定を取ることができません。
個人事業主が障がい福祉事業を行うことができません。法人の例として、株式会社、合同会社、NPO法人、一般社団法人等があてはまります。
②事業計画書の作成
事業所の概要や、主たる対象者、具体的な作業内容について記載します。。就労継続支援A型の場合は、利用者にどんな仕事をしてもらうのかを決めましょう。
また、開業時の費用を日本政策金融公庫等の融資も検討している場合は必須の書類になります。
③物件探し・採用活動
開業する事業所の賃貸物件を選びます。仮に、新築する場合は、建築図面の作成など多くの工程がでてきます。
開業を検討している障害福祉サービスの設備基準を確認し、指定権者の事前相談を経て物件を契約をします。
また、人員配置基準を満たしていることも必要になります。障がい福祉業界は人手不足で時間を要することが見込まれるため、採用活動を様々な媒体を通じて行いましょう。（ハローワーク、求人情報サイト等）
④指定権者と消防への事前相談
選んだ物件のレイアウトや指定基準等などで不明な点がある場合、指定権者との事前相談で確認をしておくと安心です。初めて障がい福祉事業を行う場合は必ず事前相談を行っておきましょう。
そして、必ず物件を管轄する消防署にも事前相談を行います。後述する「防火対象物使用開始届」を提出するためです。
⑤事前協議
担当窓口との事前協議の際には、事前協議書を提出させる指定権者も多くあります。指定権者によって、事前協議の実施方法は異なります。（そもそも事前協議は不要な指定権者もあります）
賃貸物件を契約して事業所にすることを検討している場合は、この事前協議が終わったタイミングで不動産業者と契約を行えば安心です。
⑥消防の手続き
指定の本申請を行う前に、「防火対象物使用開始届」を消防へ提出する必要があります。消防への事前相談の際に、必要な消防設備を指示してくれるため専門業者に依頼をして設置をしましょう。消防法で求められる設備を設置した後に、消防に使用開始届を提出します。その後、消防署の担当官が現地調査を行います。問題がなければ「消防検査済証」が発行され、指定権者に提出する必要があります。
（※指定権者によっては必要書類として扱わないこともあります）
⑦本申請
前月２０日から翌月１５日までの間に行うことにしている指定権者が多くあります。必要書類が揃っており、不備がなければ受付となります。受理後、指定日前研修が設けられるため必ず出席してください。また、指定権者による現地調査を実施します。
⑧指定・事業開始
これらの流れが無事クリアできれば、「指定」となり、事業が始まります。開業後は帳票類の管理を怠らずに、人員配置基準を守りながら適正に運営をする必要があります。
まとめ
障がい福祉サービスは、年齢や障がい特性、支援区分等により多岐に渡ります。
「開設希望日に間に合わせたい」「障害福祉サービス事業の指定は専門家に任せて、業務に専念したい」といったお悩みをお持ちではありませんか？
弊所のサポートをご希望の場合は、開設希望日の３か月前より早い時期からご相談いただけると幸いです。指定申請手続きの中で何度も対面での打ち合わせをさせていただきながら、お客様と二人三脚で指定申請手続きを進めさせていただきます。ぜひお力添えさせてください！ご連絡お待ちしております。
